道北・道東で避暑 Day 3 美深→幌延

旅3日目。
昨夜の霧も晴れて、窓の外は樹々の緑や芝生の黄緑が鮮やかな朝です。
なんか爽やかさを絵に描いたような朝。旅先の開放感は見える景色まで美化してしまうようです。
低血圧な私がさわやかな朝を感じるなんて滅多に無いことですから。


今日の目的地は北へ100 kmの幌延。
寄り道しなけりゃ2時間もかかりません。
とりあえず、行きたいところは筬島にある「アトリエ3モア」。

R40をスイスイ進みます。
なぜか対向車線はダンプカーがひっきりなしで、そこそこ混雑。
音威子府の市街地の妙に広い2車線に戸惑いつつ(直進はどこを走るの?)、天塩川の脇に広がる筬島の集落に到着。

まだ開館直後の10時ということで、お客さんはいないみたい。
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正面の赤い屋根の建物がアトリエ3モア

入口で高校生ぐらいの男の子から入場券(200円)を買って、順路通りに進みます。
あとで聞くと、みんな近所の高校の生徒で、土日はお手伝いにきているそうです。この日は男の子と女の子4人。

すぐ近くの筬島駅の掃除もしていて、とても感心なのです。
さて、ここは彫刻家砂澤ビッキのアトリエで、建物は廃校になった小学校。
背比べのための数字が壁に残されていたり、掃除用具の管理表が張られていたり、私の時代とはちょっと違うけれど、懐かしくなります。

ビッキはここで、夜汽車の通過音を聴きながら、深夜創作に打ち込んでいたそうです。
というのも、宗谷本線の筬島駅はここから歩いて1分程度なのです。
展示はとても楽しめましたー。来て良かったな。

でも、大きな窓から見る青々とした夏の畑の風景が一番印象に残ったなあ。
純度100%の「夏休み」って風景で。生命感にあふれてるのです。
私の脳内ではこんな夏曲が再生されているのでした。

まだ時間があるので、気の向くまま佐久からr119を経由して、日本海側の遠別へ抜けます。
この道道を通るのは3回目だけど、そのうち2回は分岐を誤り、学校の敷地に入ってUたーんしてるとか。

青看が微妙に間違いやすい位置にあるんだよなあ。
そして、遠別までの27 km、すれ違ったのが2台だけでした。とても快走路なのにね。
遠別では海沿いの開拓農道をウロウロ。
相変わらず他の車はいません。

ちょっと広い路肩に車を止めて、草原のささめきに耳を傾け、青空をぼーっと眺めたり。
道の駅てしおで昼食。カツカレー食べるの久しぶり。
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食後に街を散策します。なんか風格があるのです。レンガ作りの天塩川歴史資料館が存在感あります。
一昔前は地域の中心だった感じの貫禄を感じつつ、さらにうろうろ。
一昔なんて書きましたが、今だって、廃れた印象はないです。
道路が広いし、何かに付けて広々しているからかな?
あっけらかんとしていて、清々しいです。

広いっていいことですよね。なんくるないさ〜って感じに、気持ちも明るくなります。
お腹が満たされると眠くなってきたので、ライダーの間で大人気のr106に入って、天塩川を渡ってすぐの浜里PAでお昼寝。

ここトイレ故障してんだ… そのせいか、立ち寄る車やバイクはほとんどいません。
窓を開けて、風を通して、草むらから聞こえる虫の音を子守唄にしてスヤスヤzzz
食ったら寝るという、自堕落って素晴らしい。

そういえばサロベツ原野ってしっかり見たこと無いなということに思い立ち、手近なところで幌延ビジターセンターへ。
小さな施設だけど、木道が長沼沿いに続いていて気持ちいい。
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この木道は車椅子でも通れる幅だけど、途中から人1人分の幅になって、パンケ沼まで続いているそうな。
たしかに、唐突に幅が狭くなってる…
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片道3km。往復2時間てところか、と気軽に考えて歩き出す。
ところが、木道の両側の草が進むに連れて高く多くなり、前へ進むのが大変になってきた。
草木を勝手に伐採しちゃダメだし、実に歩きにくいな。
帰りもこの木道を歩くことはたまらないってことで、あっさり引き返します。

地図を見ると、車でもパンケ沼に行けるみたいなので、時間もあることだし行ってみよう。
と、その前にすぐそばの展望塔へ登ってみます。階段の隙間から下界が見えて、高い所苦手な人はダメかも。
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階段の鉄板を踏む時の音が怖いのだ

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展望塔てっぺんより:中央に長沼。左手奥がパンケ沼

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展望塔てっぺんより:反対側には、オトンルイの風車群が見えます

車で10分。パンケ沼に到着。
パンケ沼園地なんて立派な名前がついてるけど、誰もいない。
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長沼〜パンケ沼を歩く人いるのかな?

目の前に茶色っぽい池が広がり、地平線の向こうには利尻富士。
風もなく、虫や鳥の声も聞こえず、もちろん車の音も聞こえない。

こんな静寂な世界にひとりぼっち…
まごうことなきひとりぼっち…
日没までそんな時間を過ごします。

明るいうちは霞んでいた利尻富士も、日が落ちるに従って稜線がくっきりとしてきます。
太陽が地平線の向こうへと隠れたその直後、ふっと冷たい風が吹いて、もう帰る合図のよう。
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さて、今夜の宿に向かいます。と、その途中で、宗谷本線の下沼駅に寄り道。
何かあるというわけではないですが、ナビに出てきたのでどんなとこかな? と。
ここも筬島駅と同じく貨物車(車掌車または緩急車?)を改造した待合室が、だだっ広いホームにトテンと置かれています。
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これだけでもいいなと思うのですが、中に入るとほっとする空間なのです。
手作りと思しきデコレーションや観光案内が出迎えてくれるのですよ。
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手書きの観光案内には、パンケ沼まで歩いて30分と書いています。
今度は汽車で降り立って、沼まで歩いてみたいと思いました。これを書いた人の期待に応えたい。そう思える手作り観光案内です。

あと、汽車の旅は、駅に降りた時の「はるばるやって来た感」がたまりませんしね。
さて、幌延駅前の「民宿旅館サロベツ」に到着。駅前食堂兼旅館みたいな感じで、こういうロケーション大好き。

夕食は、ハンバーグと唐揚げと… 滞在者向けっぽいメニューで、私はこういう普通の料理が旅先で出てくると、旅に出ていることを実感するのです。

夜10時前、目の前の幌延駅に、稚内行きの特急が到着。
乗降が無いままエンジン音を響かせて発車していきます。
そんな夜汽車のディーゼル音を聞いていると、なんだか眠くなってきました。


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