Motion 5 vs AE CS5.5 ― エフェクトの表し方とか

動画編集における王道の組み合わせ、After Effects+Premiere Proですが、とにかく値段が高い。たしか25万円ぐらいでしたっけ。
PhotoshopやIllustratorなども入ってるProduction Premiumが26万円ですね(アカデミック版で8万円ぐらい)。
でもAppleが価格破壊をやってくれました。


Final Cut Pro X(Prに相当)が26000円、
Motion 5(AEに相当)が4300円。
どえらく安いです。

Final Cutはたしか10万円ぐらいだったので、思い切った値下げです。
そして、Motion 5、思わず・・・(つд⊂)ゴシゴシ・・・4300円!?

一部ネット上では、AE並みの機能を持つと言われているMotion 5ですが、どうなんでしょう。
じつは、マカーである自分はすでに持っています。
実際の使用感ですが、AEでもMotion 5でも、それほど難しくない編集なら、どちらを使っても仕上がりに大した差はないです。

で、これがAEの代わりになるかというと、それはさすがに無理かな、と思います。
Motion 5が機能的に劣っているというのではなく、この二つは比べられるものじゃないな、というのが率直な感想です。

たとえば、インターフェイスはどちらもよく似ています。
でも、Motion 5はユーザーが直感的に操作できるように工夫されています。
たとえばエフェクトについて…
20120319_1

AEだと文字情報だけのところが、「どのようなエフェクトなのか」について視覚的に説明されています。
さらに、タイムラインにもエフェクトが適用されていることが一目瞭然です。AEの場合、uまたはeを押さないと、適用しているエフェクトは出てきませんよね。

もうひとつ、実例を。
動くエフェクトに関しても万全です↓

「パーティクルエミッタ」に含まれる3つのエフェクトを順番にクリックしたところ、左上の小窓でプレビューが再生されていましたね。
これは助かります。

このような工夫がMotion 5が「直感的に使用できる」と評される所以でしょう。
Appleという企業は、時々顧客を不意打ちで落胆させますが、基本的にユーザーフレンドリーを目指してるようです。

でも、このような親切設計が良いことづくめというわけでもないのです。
例えば、タイムラインに適用したエフェクトをいちいち表示していると、表示スペースがすぐにいっぱいになってしまいます。複雑な動画になればなるほど、多くのエフェクトを盛りますから、常時エフェクトを見せるのは実用的じゃないですね。

また、数多くのエフェクトをプレビューできたとしても、実際に順番に見て確かめるのは効率的じゃありません。Motion 5には「コンテンツ」というプリセットのエフェクトがありますが、その数1031です。これを一つ一つプレビューするのは現実的ではないです。

それでもMotion 5は頑張ってるなあと思います。
動画編集は、今ではYou tubeや2525で裾野は広がりつつありますけど、まだまだマイナーな趣味分野です。メーカーは、ソフトを売って「後はお客さんで学んでくださいよ」って世界だと思います。お客さんも能動的に学ぶ人が多いと思います。だから、わざわざ親切設計にしなくても良いですし、したところでそれに見合ったリターンがあるのか疑問です。

そういったことを念頭に置くと、モーションエフェクト系のソフトとはいえ、Motion 5とAEの性質の違いが明らかです。乱暴ですが、こんな感じ↓

Motion 5:お惣菜を並べる
AE:食材から自炊する

自分の場合、何となく軽い気持ちで編集するときはMotion 5を使い、アウトラインがしっかりできた上で編集するときはAEを使う、という感じです。

AEはユーザーフレンドリーではありません(それは仕方の無いことですが)。
動画制作の楽しさを感じる前に挫折する人も多いと聞きます。そういう人がMotion 5でまず楽しみながら編集できれば良いのに…

マカーの人でAEの複雑さに憤慨しているなら、Motion 5を試してみてはいかがでしょうか。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。